プチ小説 ちゃらんぽらんじゃなさそうなプチ小説 25.思い出して 沙耶と匠は、紅葉を堪能しようと車を山道へ進めていた。山の入り口はまだまだだったが、奥に進むにつれ木々の葉が黄色や赤に色づいていた。 「おー。いーねー。テレビで見たことある感じ。もしかしたら生で紅葉した山ごと見るの初かもー!」 ... 2020.11.25 プチ小説
プチ小説 ちゃらんぽらんじゃなさそうなプチ小説 24.忘れてはいけない ピコン 『週末会える?紅葉見に行きたいな。』 「紅葉ね。いいねー沙耶さん!」匠はひとりぶつぶついいながらLINEを即座に返した。 『いいねー!どこの紅葉?探しとく?』 『見たいとこあるの!ここ↓』 木々が赤や... 2020.11.10 プチ小説
プチ小説 ちゃらんぽらんじゃなさそうなプチ小説 23.復讐 沙耶はひとり、真っ暗な部屋の中で、ヒロの写真を眺めていた。 「ヒロ、ごめんね。ママ、少し迷ってた。ヒロの悔しい気持ちわかってるのに……もしかしたら、あいつを許そうとしてたかも」 「ごめんね。」 天井を見上げると視界がぼや... 2020.11.07 プチ小説
プチ小説 ちゃらんぽらんじゃなさそうなプチ小説 22.記憶 「記憶は戻ってないようだな。」父親は匠の様子からそう察して安心した。 書斎の窓から吹き抜けの下のリビングに見える匠の姿を見下ろしながら、あの日を思い出した。 あの日……天気の良い昼下がりの警視総監室。特に大きな事件もなく、静か... 2020.11.05 プチ小説
不安 不安日記 今日の不安は「コロナ」 Go to キャンペーンが始まって、少しずつ外に出ることへの罪悪感が薄れてきたかと思ったのも束の間。 今日も感染者の人数は増えてます。 しかも市内でクラスター発生。 連日感染者が報告されて、... 2020.11.03 不安
プチ小説 ちゃらんぽらんじゃなさそうなプチ小説 21.約束 沙耶は匠の家から一度も止まらずに走った。怒りと、何故か涙が出てきて止まらない。だから、余計息が苦しくて、ゼイゼイ言いながらとにかく走った。 ヒロは、ヒロはもういないのに。なんであいつらは……何の罰も、痛みも何一つ受けずに生きてる? ... 2020.11.01 プチ小説