2021-04

プチ小説

ちゃらんぽらんじゃなさそうなプチ小説  37.忘れたこと

窓からさす太陽の光が少し眩しく感じて、少しずつ目を開けた。なんとなく怖くて、なるべく動かないようにして辺りを見回した。 「ここはどこ?」 呟くと、ベッドの隅に顔を沈めていた匠が慌てて覗き込んできた。 「沙耶!目が覚めた?...
プチ小説

ちゃらんぽらんじゃなさそうなプチ小説  36.忘れた時間

沙耶は病院からの帰り道。夕暮れで真っ赤に染まった低めの空を背に、検診でもらったエコー写真を握りしめてトボトボ歩いていた。 「頭痛いなぁー。」 元々偏頭痛持ちだが、それとは違う痛みだった。 「色々考えすぎて、脳みそが沸騰し...
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