プチ小説 ちゃらんぽらんじゃなさそうなプチ小説 37.忘れたこと 窓からさす太陽の光が少し眩しく感じて、少しずつ目を開けた。なんとなく怖くて、なるべく動かないようにして辺りを見回した。 「ここはどこ?」 呟くと、ベッドの隅に顔を沈めていた匠が慌てて覗き込んできた。 「沙耶!目が覚めた?... 2021.04.15 プチ小説
プチ小説 ちゃらんぽらんじゃなさそうなプチ小説 36.忘れた時間 沙耶は病院からの帰り道。夕暮れで真っ赤に染まった低めの空を背に、検診でもらったエコー写真を握りしめてトボトボ歩いていた。 「頭痛いなぁー。」 元々偏頭痛持ちだが、それとは違う痛みだった。 「色々考えすぎて、脳みそが沸騰し... 2021.04.13 プチ小説